屍病
雄大が言うように、どうしてイーターが学校の中にいたのかということは気になる。


まあ、かなりの力があるようだし、ガラスの1枚でも破ってしまえば中に入れるんだろうけど。


「高下……本当にやるのかな。ちくしょう! なんだってこんなことになったんだよ!」


「今は戸締りを確認することだけを考えろ、桐山。俺達が教室に戻る頃には、答えは出てるはずだ」


「案外薄情だよな、海原って」


小さく、嫌味のように桐山が呟いたけれど、雄大は聞こえなかったのかスルーしたのか、淡々と廊下の窓が締まっているかを確かめる。


「廊下は俺と山瀬で確認するから、芹川と桐山で教室の窓を確認してくれ。校舎の確認が済んだら、玄関や体育館の方に移動しよう」


4人で一緒の場所を確認するのは効率が悪いと思ったのか、雄大がそう提案した。


提案自体は悪くないんだけど……私と桐山か。


先を歩くふたりと、後ろに付いてるふたりで分けられてしまったかな。


だからと言って、ペアを替えてと言ったら気まずくなるだろうし。


ただの確認だから、特に問題ないよね。


「うん、わかった」


私はそう言って、桐山と教室に入った。
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