屍病
「そうじゃなくて! 矢島さんの服が無造作に脱ぎ捨てられてた! イーターが、服を脱がせてから食べるとは思えないよ!」


私の疑問は、今の状況ではどうでもいいことかもしれない。


でも、ただ食べられたんじゃないということが、なぜか気になってしまったから。


知らなくていいことかもしれないけど、後で知ってしまったら、嫌悪感が大きくなりそうな気がして。


「待て待て……だったら何かよ。矢島は自分から服を脱いだってことか? 食われるかもしれないってのに」


「もしかしたら、その前からかもしれない。杉山先生がイーターに変わる前。だって、戸締りはしてあるんだよ? 矢島さんが学校に逃げ込んで、わざわざ全裸で保健室のベッドで寝る?」


言葉に出せば出すほど、どうしてもその考えに至ってしまう。


「つ、つまり何か? 矢島と杉山がその……セッ……」


「い、言わなくていいから。でも、そうとしか考えられない。それなら、どうして矢島さんと杉山先生が土曜日の学校にいたのか、一応説明はつくし」


まさか、保健室のベッドでそんなことが行われているとは思いもよらなかったけど。


「す、杉山の野郎! 中学生に手を出すとか、腐ってやがるな!」


せっかくゆっくり休めると思ったのに。


これじゃあ気持ち悪くて休めないよ。
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