屍病
保健室で驚いた私達は、その後、渡り廊下やトイレの戸締りを確認して、校舎の方の戸締りを確認していない部屋を確認した。


真倫ちゃんと雄大と合流したのはその後で、廊下で保健室にあった矢島さんの死体、そして、イーターになった杉山先生と、なぜふたりが学校にいたのかを話した。


「杉山先生……厳しくも教育熱心な先生だと思ってたのに。まさか性教育の実技までしていたとは」


「いや、海原、お前感想がズレてねぇか?」


雄大は言葉を選んだつもりだろう。


でもそれが、他の人からすれば滑稽に見えてしまう。


「はは……先生までそんなことしてたなんてさ。大人って信用出来ないね。元の世界でも、イーターになってからでも」


真倫ちゃんが呟いた言葉に、誰も反論はなかった。


私達は中学生で、何かしら親に、大人に不満がある。


そして今、大人を頼れないどころか、自分達を食糧としか見ていない完全な敵なのだから。


「……とりあえず、教室に戻ろう。もう、あっちも終わっているだろうから」


「そうだな。高下は本当に……茂手木を殺したのか」


桐山がそう問い掛けたけど、答えは教室に戻らないとわからない。


この時点では、どんな答えを出したかはわからないのだから。
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