屍病
職員室。


ここには給湯室があって、もしかすると包丁があるかもしれない。


そう思って流しの下を確認すると。


「やった、あった。調理実習室の準備室に行けば、もっとあるかもしれない」


真倫ちゃんが持っていたバットなんかは扱いやすいと思うけど、それでイーターを殺すには、少しの躊躇もしてはいけないはずだ。


少しでも力が弱まれば、殺すことなんてできないだろうし、反撃を受ける可能性だってある。


その点刃物は、その気がなくても殺せてしまうほど殺傷能力が高い。


私のような臆病者には、丁度いい武器になる。


「一本しかない。他に何か武器になるようなもの、あるかな」


暗い職員室の中を見回すと、花瓶や辞書なんかがあるけど……イーターに通用するかと言われたら微妙な気がする。


カッターナイフや千枚通し辺りは使えそうな気もするけど、それでもあの鋭い牙で噛み付こうとするイーターが相手だと心もとないかな。


武器を探しつつも、机の上に置かれたメモ帳やボールペンなんかをポケットに入れる。


話し合いをする時に使えるかな、なんて。


調理実習室の鍵は持っているから、準備室の鍵を取って職員室を出た。
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