屍病
ガラスが割られた場所を特定したいとは思うけど、もしもまだ他にイーターがいれば、私ではどうにもならないことは証明された。


出来れば、高下にもついてきてほしいけど……さっきあんなに泣いていたし、無理だろうな。


それでも、このまま放置しておくわけにはいかないし、私だけでも調べないと。


イーターに遭遇しないように、上手く逃げないとだめだ。


そう思って、理科室の方に歩き出した。


私の命を救ってくれたフライパン。


その表面の加工が、イーターの鋭い牙によって剥がされているというか、傷がついてしまっている。


こんなので噛み付かれたら、そりゃあ肉を噛みちぎられるはずだよ。


そうならないように……慎重に行かなければ。


耳を澄ましながら、理科室の方に歩いて4組の教室の前。





「ちょっと! どこ行くのよ芹川さん!」





背後から呼び止められて、私はビクッと身体を震わせて、ゆっくりと振り返った。


「え、えっと。今のイーターがどこから入ったか調べないと。中に入ったのはひとりだけじゃないかもしれないでしょ? だから……」


「そんなフライパンだけで、もしも他にもいたらどうするのよ。本当にあんた嫌いだわ」
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