屍病
第一理科室、第二理科室、そして理科準備室が固まって存在するこの一角。


理科室はともかく、準備室は物がごちゃごちゃと置かれていて、あまり入りたくはないけど。


一応調べなければ、イーターの侵入経路がわからないから。


「どうやらここみたいだね。グラウンドを歩いたから土が落ちてる」


床に少し落ちていた土を感じたのか、高下が靴の裏でそれを踏んでみせた。


私達が調べた時に落ちたのかもしれないと思ったけど、学校に逃げ込んでから色々歩き回ったし、落ちるならそれまでに落ちているだろうから、やはりイーターが侵入してきたんだろうなと思う。


「だったら、慎重に行かないとね。もしかすると、どこかに潜んでるかもしれないから」


「あいつらにそんな知能あるの? 私達を見たら、ヨダレを垂らして噛み付こうとするやつらだよ? 映画で見るゾンビみたいなやつらみたいなもんだと思ってたよ」


確かに、人を食うという部分を見れば、ゾンビに似ていると言えなくもないけど、厳密には違うと思う。


料理だってするし、自転車にまで乗る。


何より、言葉を話すから、知能がないはずがない。


「大人達が、そのままイーターになったって考えた方がいいんじゃないかな。知能に差はあると思うけど」
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