屍病
「……わかったよ。ここは一旦逃げよう」
なんだか納得していない様子で立ち上がり、教室の方を見た高下。
泣いている赤ん坊をあやしながら、真倫ちゃんが駆け出すのを見て、私達は教室の方へと走った。
「でも! どこに逃げるの!? どこに逃げても、イーターを防げる教室なんてないよ!」
体育館の扉なら、もしかすると防げるかもしれないけれど、外に面している分、他の場所から侵入されると今度は逃げ道がなくなってしまう。
「どうする、考えろ! 考えるんだ! ……そ、そうだ! 音楽室に行くぞ! あの部屋なら重い防音扉があるし、出入口はひとつしかない。可能性があるなら、あの部屋しか考えられない!」
渡り廊下を抜けたところで、雄大が思い付いたようにそう言ったけど、すかさず真倫ちゃんが反論する。
「は、早く言ってよ! 音楽室に行くなら、鍵を取ってこなきゃならないじゃない!」
一階にある教室の鍵は持っているけれど、侵入されないだろうと思った二階以上の教室の鍵は持っていない。
音楽室がある場所は三階で、その鍵は職員室にあるから、今来た道を引き返さなければならないのだ。
なんだか納得していない様子で立ち上がり、教室の方を見た高下。
泣いている赤ん坊をあやしながら、真倫ちゃんが駆け出すのを見て、私達は教室の方へと走った。
「でも! どこに逃げるの!? どこに逃げても、イーターを防げる教室なんてないよ!」
体育館の扉なら、もしかすると防げるかもしれないけれど、外に面している分、他の場所から侵入されると今度は逃げ道がなくなってしまう。
「どうする、考えろ! 考えるんだ! ……そ、そうだ! 音楽室に行くぞ! あの部屋なら重い防音扉があるし、出入口はひとつしかない。可能性があるなら、あの部屋しか考えられない!」
渡り廊下を抜けたところで、雄大が思い付いたようにそう言ったけど、すかさず真倫ちゃんが反論する。
「は、早く言ってよ! 音楽室に行くなら、鍵を取ってこなきゃならないじゃない!」
一階にある教室の鍵は持っているけれど、侵入されないだろうと思った二階以上の教室の鍵は持っていない。
音楽室がある場所は三階で、その鍵は職員室にあるから、今来た道を引き返さなければならないのだ。