屍病
「だ、だったら、これ以上中に入らないように穴を塞ごうよ! 下足箱を使ってさ!」


そんなことをしても、隙間から中に入って来るだろうし、なんなら下足箱を破壊されるかもしれないけど、この状況ではやらないよりマシだ。


「悪くないね、芹川さん。じゃあ、皆でこの下足箱を押すよ!」


イーターを下敷きにした下足箱。


少し怖いと思いながらも、私達はそれを押して生徒玄関のドアまで移動させた。


両側が使える2クラス分の、厚さ80cmにもなる下足箱に押し戻され、さらに穴の半分を塞いだ。


下敷きになっているイーターを除けば、中に侵入しているのは3人。


今の高下は頼もしくて、3人くらいなら何とかなりそうだ。


「能ミそが食イてェんだヨ! 脳みソが!」


大きな口を開け、牙をギラつかせながらイーターが迫る!


「くっ! ち、近寄るなっ!」


そのイーターに、真倫ちゃんが驚いてバットを振る。


ガンッ! と、頬に直撃し、顔を歪ませてイーターが私に覆い被さるように倒れ込んできた。


「わ、わわっ! 来ないで!」


慌ててフライパンを押し付けて、イーターの顔を覆うようにした直後。


追い打ちをかけるように、高下の包丁がイーターの頭部に突き刺さり、フライパンごと私の顔に押し付けたのだ。
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