探偵I(タンテイアイ)【第2巻】
「泰平、歯に衣を着せないところ、お前大学時代から本当に変わってないよなー……」
泰平が大学時代の自分を思い出して軽く笑った。
「──言った。言わずにいられなかった。俺は、紗永が羨ましかった」
「羨ましい?紗永ちゃんだって、色々悩んできっと答えを出したんだよ」
「だって、男はいずれ家族を養う立場の人間だから、そう簡単には仕事を辞めるわけにはいかない。椋介ならわかるだろう?」
「まぁ、確かに男は男で大変なところがあるけれど。女性は女性で大変な部分が沢山あると俺は思うよ」
「そっかなあ……」