探偵I(タンテイアイ)【第2巻】



「結局さ、お前って、紗永ちゃんのどこが好きだったわけ?」




「好き……?」




「ああ、紗永ちゃんの魅力、どこに魅力を感じていたんだお前は?」




「そう。俺は秘書をしている紗永に魅力を感じていただけなんだ。不思議と、秘書を辞めるって聞いた瞬間、彼女に魅力を全く感じなくなって、めんどくさくなった……。秘書でなくなる紗永に、直接そのことを言った──」




椋介が目の奥に力を入れて泰平を睨んだ。




「お前、……最悪だな」




「俺、サイアク、かなあ……」




泰平が椋介の顔を見た。



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