探偵I(タンテイアイ)【第2巻】



泰平が「あの、今日から、こちらの会社でお世話になることになりました豊崎 泰平です。よろしくお願いします」と武市に挨拶をする。




武市が顔を上げて泰平の顔を見た。




「山崎さん、初めまして。私、総務部の武市です。よろしくお願いします。早速で悪いんだけど……、あっー、ちょっと、これトランクに積んでくれる?積み終わったら、すぐに車に乗って!時間があまりないの……」



「はっ、はい!」



泰平は急いで自分の足元にある大きめの透明な衣装ケースを二個、一つずつ丁寧に持ち上げて車のトランクに積み込んだ。




衣装ケースの中には色々と何か入っているみたいだが、何が入っているのか中身がよくわかりにくい。



「あの、……武市さん?」



「はい」



「今から車に乗ってどこに行くんでしょうか?」




「仕事場です」




泰平と武市以外に村上という中年の男性が息を切らしながら軽く挨拶をかわして車に乗り込んできた。




全員が揃うと車を走らせて約一時間ほどで目的地に到着をした。


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