お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。《追憶編》
薔薇色の相棒
彼女は、いつも正しかった。
にこやかで聡明で、ひとたび社交界に出れば、誰もが見惚れるほどの完璧な令嬢だった。
俺はそんな彼女の専属執事として仕え、一番側で見守っていた。
時折、不意に頭をよぎる。
彼女は間違えない。
もし、この先、道を踏み外すとしたら
それはきっと、俺の方だ…と。
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