お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。《追憶編》
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「ごめんなさい、メル。結局屋敷まで送らせちゃって…」

「いいんですよ。私は休日をお嬢様と過ごせて満足ですので。」


やがて、日が傾きはじめた夕方。
三時のおやつを終えた三人は、クロノア家の門の前にいた。

ニコニコと笑うダンレッドは上機嫌だ。


「はぁ〜っ!幸せ〜!スイーツビュッフェなんて行ったことなかったけど、最高だね〜!」

「ふふっ。ダンレッドは、チョコレートフォンデュ楽しそうだったわね。」

「うん!めちゃくちゃ楽しかった!また三人で行こうよ!」


噴水のように流れ出るチョコレートに目を輝かせるダンレッドの隣で、ルシアのために器用にクレープを焼くメル。スイーツビュッフェが売りの店の客はほぼ若者であり、それなりに人の目を惹く外見の彼らは女性客の視線を集めた。

皿いっぱいにスイーツを盛ってフードファイター並みにぺろり、と平らげるダンレッドは、別の意味で目立っていたのだが。

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