お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。《追憶編》
ーーー
ーー
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「えっ!ケーキを俺に!?」
警備に当たっていたダンレッドを呼んだメル。
見慣れた茶色の外套を引き寄せテラスに連れてくると、ダンレッドはルシアが手に持つショートケーキを見つめて目を輝かせた。
「ずっと外で待っているだけなんてあんまりでしょう?それに、ダンレッドは甘いもの好きよね?」
「いいのーっ!?やったあ!ありがとうお嬢さん!!」
「ふふっ…!どうせなら、もっと料理を持ってくればよかったかしら。」
「そんなことないよ!めちゃくちゃ嬉しい〜!」
ぱぁっ!と表情明るくケーキを受け取るダンレッド。
予想どおりの彼の反応に笑みを浮かべたルシアは、申し訳なさそうに続ける。
「本当は、ダンレッドも中に入れればいいんだけど…」
「いーのいーの!俺は貴族じゃなくて用心棒だからねっ!高級ケーキを貰えただけで十分!」
本来なら、招待ゲストではない者に食事が提供されることはないのだが、付き添いのダンレッドが一人城に入れずに待っていることを気遣ったルシアは、こっそり差し入れをしようと考えたのだ。
そして、ちゃんと二人分の皿とフォークを用意していたメル。ずっと庭を気がかりに見つめていた彼女の視線に気づかないわけがない。
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「えっ!ケーキを俺に!?」
警備に当たっていたダンレッドを呼んだメル。
見慣れた茶色の外套を引き寄せテラスに連れてくると、ダンレッドはルシアが手に持つショートケーキを見つめて目を輝かせた。
「ずっと外で待っているだけなんてあんまりでしょう?それに、ダンレッドは甘いもの好きよね?」
「いいのーっ!?やったあ!ありがとうお嬢さん!!」
「ふふっ…!どうせなら、もっと料理を持ってくればよかったかしら。」
「そんなことないよ!めちゃくちゃ嬉しい〜!」
ぱぁっ!と表情明るくケーキを受け取るダンレッド。
予想どおりの彼の反応に笑みを浮かべたルシアは、申し訳なさそうに続ける。
「本当は、ダンレッドも中に入れればいいんだけど…」
「いーのいーの!俺は貴族じゃなくて用心棒だからねっ!高級ケーキを貰えただけで十分!」
本来なら、招待ゲストではない者に食事が提供されることはないのだが、付き添いのダンレッドが一人城に入れずに待っていることを気遣ったルシアは、こっそり差し入れをしようと考えたのだ。
そして、ちゃんと二人分の皿とフォークを用意していたメル。ずっと庭を気がかりに見つめていた彼女の視線に気づかないわけがない。