涙は海に捨てて〜さよなら、大好きだった人〜
海賊ならば、テレサは会いたい人がいた。それはセダだ。どこで何をしているんだろう、とテレサは海を見つめる。

セダはこの国で生まれた。そして、テレサの幼なじみでもある。彼はある日、「海賊になる」と言って船で旅立ってしまったのだ。彼と関わりたいと、テレサは海軍兵士になることを決めた。

セダが帰ってきたら、テレサは言いたいことがある。それは「愛している」という言葉だ。テレサはずっとセダを想い続けている。

そして一週間後、「海賊アレスだ〜!!」と喜ぶ街の人々の声をテレサは聞いた。

嬉しさで、胸がいっぱいになる。テレサは急いで港へと向かった。この国にセダが帰ってくるのは何年ぶりだろう?嬉しすぎて、テレサは泣きそうになる。

この国を出発した時よりも立派な船に乗り、多くの船員を連れて、青いコートを着たセダが船から降りてきた。多くの人に出迎えられている。

「セダ、私よ。わかる?」

テレサが顔を見せると、セダは少し考えて驚いた顔を見せる。

「お前、もしかしてテレサか?海軍にいるのか?」
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