転生したら異世界だったので、とりあえず平民やってたのですが。
一瞬、本当に目の前の男の子が言ったことなのかと、自分の耳を疑った。


「リュビ。そんな言い方をしては失礼ですよ」


フィールが注意しても知らん顔のリュビは、姿勢正しく座り、窓の外に視線を向けていた。



「…申し訳ありません、ティアさん」



そう言ったのは、プリンセスだった。私は慌てて首を振った。


「い、いいえ!気にしてませんから」


「………」



困った様に微笑むと、プリンセスはリュビの頭を優しく撫でた。



「この子は、私が育てました。少々偏屈な所もありますが…どうか、悪く思わないでやって下さい」



頭を下げられ、血の気が引いた。リュビもプリンセスを見て動揺している。フィールはやれやれ、と言った感じだ。


「あ、あの…!お顔を上げて下さい、プリンセス。本当に、私は気にしていませんので」


私が必死にそう説得すると、プリンセスはゆっくりと顔を上げた。



「ありがとうございます…お優しいのですね」
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