転生したら異世界だったので、とりあえず平民やってたのですが。
確認するように自分を指差してみると、盛大なため息を吐かれた。
「お前だ」
(なんだこいつ、偉そうに…)
相手の態度に少しムッとしたので、小さい声で返事をした。
「何ですか」
「誰か力が強い奴を連れて来い」
(力が強い人って…貴方のすぐ目の前に、強そうな人が何人かいるじゃない)
さっきこの人がドロボウを投げ飛ばしたせいで騒ぎが大きくなり、周囲には何十人もの野次馬が集まってきていた。
「早くしろ」
急かされて、咄嗟に思っていたことをそのまま言ってしまった。
「目の前にいるじゃないですか」
「………」
呆れ顔。この言葉がよく似合う顔を向けられ、思わず「なんなの!?」と言ってしまいそうになったのを、グッと堪えた。
だってこの人、すごく上等な服を着てるんだもの。少なくとも、平民は一生着れないような服。こんな服を着てるなんて、貴族に決まってる。
平民が貴族に喧嘩なんて売ったら、もー大変なことになっちゃうんだから。
そこからは誰も喋らず、私は呆れ顔を向けられたまま、沈黙が流れた。そして、その沈黙を破ったのは、意外な人物だった。
「お前だ」
(なんだこいつ、偉そうに…)
相手の態度に少しムッとしたので、小さい声で返事をした。
「何ですか」
「誰か力が強い奴を連れて来い」
(力が強い人って…貴方のすぐ目の前に、強そうな人が何人かいるじゃない)
さっきこの人がドロボウを投げ飛ばしたせいで騒ぎが大きくなり、周囲には何十人もの野次馬が集まってきていた。
「早くしろ」
急かされて、咄嗟に思っていたことをそのまま言ってしまった。
「目の前にいるじゃないですか」
「………」
呆れ顔。この言葉がよく似合う顔を向けられ、思わず「なんなの!?」と言ってしまいそうになったのを、グッと堪えた。
だってこの人、すごく上等な服を着てるんだもの。少なくとも、平民は一生着れないような服。こんな服を着てるなんて、貴族に決まってる。
平民が貴族に喧嘩なんて売ったら、もー大変なことになっちゃうんだから。
そこからは誰も喋らず、私は呆れ顔を向けられたまま、沈黙が流れた。そして、その沈黙を破ったのは、意外な人物だった。