【激短】2人のメリークリスマス
「ねぇ?言ってもいい?」
「何?」
「すき」
「……」
「なんで、そこで黙るかなぁ」
自分からポロリと零してしまったセリフに照れて、手を離そうとすると、彼がおもむろに彼女の方に寄り添った。
「俺は、愛してるよ…世界を敵に回しても」
「………」
「なんで、そこで黙るかなぁ」
嬉しさを噛み締めて。
幸せを噛み締めて。
2人は、引き寄せられるように抱き締め合った。
「コタツ、邪魔だね」
「だな」
クスクスと笑い合って、起き上がりどちらからともなくキスをして。
それが、嵐のように激しくなった所で、視線を合わせた。
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
貴女と…貴方と…。
また、来年もこんな風になんでもない時間を過ごして…。
幸せという音を鼓動に焼き付けたい…。
「すき」
「愛してるよ」
手を繋いで、抱き締めて…。
2人がこれからも、幸福であるように。
2人の心が、重なっていくように…。
そう、サンタクロースは、ひっそりと祈りを捧げていった。
魔法を掛けるよりも、温かな心を持って………。
Fin.