ホームズの子孫には秘密がある
「ホームズ？」

ワトソン先生が声をかけると、ホームズさんは途端にいつもの表情に戻る。そして私の頭を優しく撫でた。

「和香、ありがとう」

ホームズさんはその場で手紙を読む。その顔はさらに険しくなっていった。何が書いてあるんだろう？確実に言えることは、事件の依頼ではないということだ。ホームズさんがあんな顔をするなんて……。

手紙の中身は気になったが、ホームズさんは読み終えるとすぐに手紙を火のついた暖炉の中に入れてしまった。手紙は一瞬にして灰になっていく。

「朝ご飯食べよ〜！」

ワトソン先生がそう言うと、「君は相変わらず食い意地が張っているな」とホームズさんはからかう。

いつもの朝だと思う。でも、私は心の奥底に不安を隠すことはできなかった。



それから一ヶ月が過ぎた。相変わらず、私は忙しくも楽しい日々を送っている。

最初の頃は、ホームズさんの受け取った手紙が気になっていたけど、もうすっかり今では考えることはない。
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