rain
声なき悲鳴をあげる



……っ、そうだ…

今日、キャミソール忘れてたんだ……っ


学校ではベスト着てたけど

暑くて

後は帰るだけだしいいやって思って
脱いでそのままベストはロッカーに入れっぱなし



「…」



…………恥ずかしすぎて死にそう…っ

羞恥で真っ赤になりながら慌てて胸元を隠す



「………ちょっとごめん……」



そんな私を極力見ないようにしながら

鴻鳴君は



「っ」



かばんからまた何かを取り出して


それをすっぽりと私に被せた




「…」



だぼだぼの、Tシャツ



「使ってないから」

「……あ、ありがとう……」



透け透けのブラが見えなくなったことに

ほっとして



でも



「「……」」



気まずい沈黙が流れて



……いたたまれない




「………雨、止みそうにないね」



沈黙に耐えかねた様子の鴻鳴君が
空を見上げて、ぽつりと呟く



「…………うん」
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