rain
……
……
……



目の前の地面に打ち付け続ける強い雨

ぱちぱちと雨粒が弾ける



「……」

「……うい、大丈夫?」

「……ちょっと、寒くて……」



体をさする私に気づいた鴻鳴君が

そっと私の顔を覗き込む



時間が経つにつれ

雨に濡れた体が冷えてきて


……寒い



「……」


「…………へ?」



ふっと鴻鳴君が近付いてきたと思ったら

その距離がゼロになって



「こ、鴻鳴く……っ?」



唐突に抱き締められて

私はあわあわとうろたえる



「……俺、体温高いから…少しはましだと思う」


……。


……その言葉で

鴻鳴君が私をあっためてくれようとしてる事に気付いて



ほんのり頬を染めて

恥ずかしそうにしながらも

鴻鳴君は必死な感じで



………それがかわいくて、嬉しくて、思わず笑う



「……ほんとだ
……鴻鳴君、あったかい」



じんわりと伝わる鴻鳴君の体温が心地良い



「…」



そっと鴻鳴君の背中に手をまわす


鴻鳴君がぴくりと反応する
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