rain
「…………どうしよ」

「……なに?」

「俺のかさねちゃんがかわいくてヤバい」

「っつ!?」


呟くと、幹也は押さえてない方の耳に顔を近づけて


甘噛み


「…っ?!」


ぞくぞくと全身に甘い衝撃が走る


真っ赤な顔のまま
目を見開く私を熱のある目で見下ろすと
幹也は私のほっぺたを優しく撫でて

そのままそこに唇を寄せる


「っ、ん」


ちゅっと軽くキスされて

くすぐったくて
思わず声を出してしまう私


「…」


そんな私に幹也は変なスイッチが入ったようで


「……かさねちゃん
今日は、たくさん触れてもいい?」

「な、」

「雨が止むまで」



いつもは従順な忠犬

だけど今は……



「て言うか、ごめん
もう止められない」

「~~~っ!?」



返事も待たずに、幹也は私の唇を奪った



……いつもとは違う、少し強引なその態度に


………………不覚にも、私の胸は高鳴って


気付けば自然に幹也の背中に手を回してた





窓の外は大荒れ


雨はしばらく止む気配はない

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