rain
「ん。じゃ俺は後片付けして
風呂入ってくるから
適当にくつろいどけ」

「ありがとう」


私の髪の毛を乾かしてくれた後
キッチンに向かう秋鳴

夕食を食べ終えた後だったみたいで
シンクには洗い物がたまってる

………グラス、3人分……



「秋鳴、今日は鴻鳴君とお母さんもいるの?」


いるなら挨拶をしないと、と思って
訊ねる私に秋鳴は洗い物をしながら答える


「いねーよ
飯食べて仕事行った
鴻鳴もバイト、そのままダチの家に泊まり」

「そっか」



…………
……………………ん?



て、ことは……秋鳴とふたりっきり?


「…」


……
…………な、なんか……緊張してきた…


別に秋鳴の家に泊まるの初めてじゃないけど

……ふたりっきりは初めて


前に泊まった時は
ひなや葵君も一緒だったし

秋鳴のお母さんは仕事で忙しいから
不在がちだけど、鴻鳴君は大体いつもいるし



…………いやいや

ふたりっきりだからって別になにも……



ちらりと洗い物をしてる秋鳴を盗み見る



……。
…………ほんの少しだけ……



………………何かあって欲しいと期待する自分がいた
< 5 / 31 >

この作品をシェア

pagetop