rain
片付けを終えて、お風呂から戻ってきた秋鳴は
クローゼットから毛布を取り出して


「んじゃ、寝るか
お前はこっちな」

「え、……いやいや秋鳴、私が床でいいよ」

「いいんだよ、ほら電気消すぞ」

「……」


いつかのように私にベッドを譲って
自分は床で寝る秋鳴

……押し掛けてきたのは私だし

こう何度も床で眠られると申し訳なさ過ぎて……


「…」


薄暗くなった室内で
ベッドの上に座ったまま
私は床で眠る秋鳴をじっと見つめる



………。



「………………おい」

「なに?」

「……何してんの?お前」

「見て分からない?秋鳴の横で寝てる」


毛布を持って
ちょこんと秋鳴の隣に移動した私

気付いた秋鳴が真顔で私を見た


「なんでだよ。ベッド使えって」

「やだ。秋鳴が使って」

「俺はいいんだよ」

「なら私もいいの」


……
……


頑なに拒否する私に秋鳴は深くため息をついて


「……お前、変なとこで頑固だよな」


起き上がると諦めたようにベッドに移動した


……私を抱き抱えて



「し、秋鳴……っ?!」

「これならいいだろ」

「わ、私は床で……っ」

「却下、さっさと寝ろ」


抱えた私をベッドの上におろして
秋鳴は私から少し離れて横になった
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