そして、君に恋をした
二日前に新調したばかりの黒い革靴がまだ私の足に馴染んでない。
歩く度に靴擦れができた場所が擦れて凄く痛む。
体が痛い。
泥で汚れた制服を見て。
心が痛い。
真っ直ぐ、真っ直ぐに歩く。
迷わず。
ただ、真っ直ぐに。
家を目指して歩く。
小さな庭がある普通の一軒家。
青い瓦屋根。
木製の表札、小林。
門の前で息を整えて足を揃えて立ち止まる。
ああ、頭が何かぼんやりとする。
帰ってはきたものの、気持ちが重い。