そして、君に恋をした
●第二章
私は困っていることがあった。
青年が心配をしてくれた。
私は青年と話し合った。
青年は手話を知らない。
だから、私はいつも筆談用に使っているノートを青年に差し出した。
青年は胸ポケットから自分の万年筆を取り出した。
【じゃあ、高かった補聴器は、川に流れた事にしよう。】
青年がこんな提案をした。
今度は、青年の動く唇を見た。
「今はそうしておこう。
それでいいんだよ。」
私は唇の動きを読んだ。