そして、君に恋をした

二時間目のテストが終わり、休み時間時になった。




私はトイレに行きたくて少し席を外した。




三時間目、保健のテストが始まった。




時計を見るとテスト終了まで二十分残っていた。



まだ、時間がある。



もう一度、答案用紙を見直した。




あっ、しまった……。



やってしまった。



冷や汗が出てきた。





嘘でしょ。




夢だと思いたかった。




夢じゃない。



あっ───。



ここで、うっかりミスをしてしまったことに気づいた。



記入をしなければいけない答えの場所が一問ずつ見事にずれていた。




焦って消しゴムを握る。





えっ、何、……このネチョッーっとした感触!?




これっ……、ケシゴムじゃない。




誰かが噛んで練り固めたガムだった。




一時間目も二時間目もテスト中は間違いなく自分の消しゴムを絶対に使っていた。




すり替えられたとしたら、二時間目が終わった後の休み時間。




誰が一体こんなことをしたんだ。




もう、終わりだ……。




こんなんじゃ、消えない……。




書き直せない。



──終わりだ。



下校時、下駄箱の辺りで赤井さんとすれ違った。




赤井さんが小さな紙切れを私に渡してきた。


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