そして、君に恋をした
紙を開いてすぐに読んだ。
【保健のテスト、満点楽しみね!】
赤井さんが意地悪な笑顔でこっちを向いて笑っていた。
私の消しゴムをすり替えたのは赤井さんだとすぐにわかった。
最悪!
目の奥に力を入れて、無視をして、唇を強く噛んで前に向かって歩いた。
角を曲がろうとしたら西川くんにばったりと会った。
西川くんの顔を見た瞬間、我慢をしていた涙が一滴頬を伝って流れた。
西川くんが私に何も言わずティッシュを差し出してくれた。
『──西川くん、ありがとう』
『……大丈夫か?』
『うん』
下俯いて、ティッシュで涙を拭いながら階段をかけ降りた。