そして、君に恋をした
学校の帰り道。
西川くんが一緒に帰ろうと誘ってくれた。
『小林、今回のテストでき、どうだった?』
『ぜんぜーん』
『俺、家庭科、苦手だわ……』
『いっしょ、いっしょ。ねぇ、家庭科のテストって、必要だと思う?』
『いらねーだろ、と俺は思う。家庭科は実生活で実践のみだよ!』
『だ・よ・ね!』
西川くんが鼻の下をこすって私の顔を見た。
『小林、このまま一緒に図書館に行こうか?』
『うん、いいよ』
大きな公園の隣に図書館がある。
私が本好きなことを西川くんは知っている。
西川くんが図書館に誘ってくれたのは、初めてだった。
図書館、建物を見ただけで胸がうきうきする
ずらっと並んでいる本を見ると凄く嬉しくて。
少しだけ立ち寄るつもりが、
あれもこれもと気になる本がたくさん出てきて、夢中でずっと本を読んでいた。