そして、君に恋をした
●五日目
──五日目・(土曜日)
早朝、仲が良い令奈の両親は二人揃って公園へテニスをしに出かけた。
午前八時半。
家にいる令奈と太宰 治。
台所で向かい合わせに座って朝食を食べている。
【太宰さん、今日は何をするんですか?】
【天気が……良いので、部屋の掃除でもしようかと】
【私は朝食を食べ終えたら、出かけます】
【出かける。どこに、……出かけるんですか?】
【はい、図書館です】
【……誰と、……誰と?つまり、誰かと一緒に図書館へ行くんですか?】
【いえ、私一人です】
【僕も……】
【ぼくも?】
【いえ、何でもないです。忘れて下さい】
【一緒に行きますか?図書館】
【いいんですか】
【はい、いいですよ】