そして、君に恋をした
・太宰治side
〔太宰治side〕
午前十時。
図書館。
色々な世代の人達で賑わう図書館。
令奈が本を選んでいる後をついて歩く。
文豪作家の棚に来た。
おっ、芥川龍之介。
僕が最も尊敬をしている作家だ。
手にとって読んでみる。
どの本も本当に素晴らしい本ばかりだ。
ずらずらずらっと本を指でたどる。
下へ、もっと下へと、たどっていった。
ん、太宰 治の年譜。
この本は僕のことが書かれている本なんだろうか。
手を伸ばして取ろうとすると、その手を令奈に止められた。
令奈が頭を横に降っている。
そして、口を大きく開いて
ダ・メと言った。