そして、君に恋をした

そして、令奈には話していなかったが……、



僕の体が透ける回数も増えてきた、



字が上手く書けなくなることも多くなった。



ペン先がもう傷んでいるのかもしれない。




今、こうしている間も僕の体が指先から徐々に半透明に透けてきた。




もう、ここにはこれ以上いられないのかもしれない。



もう、いては、いけないのかもしれない……。





どうして、僕がこの時代に来たのかは今でも不思議でわからないけれど。




神様が少しイタズラをしたんだとしたら。




僕は令奈に出会うためにここに来たんだと思う。




共に生きている時代は違うけれど、何か意味があって僕達は出会ったんだと思う。





令奈、僕は出会えて凄く楽しかった。





令奈、君という素晴らしい女の子に出会えた奇跡に僕は本当に感謝をしている。



僕は玲奈のことを一生絶対に忘れない。



僕達は、まだまだ成長段階の人間だ。




まだ、完成のしていない人間だ。





いつの時代も




戦わなければいけない相手は、




世間



そして、



自分自身



そういうことは変わらないのかもしれない。


< 99 / 110 >

この作品をシェア

pagetop