あたしが髪を切ったわけ
「えっ?ああ、あれってだめだったっけ?」

「そうよ、チョコレート1枚でかたがついたはずよ」本気。

「でも十年も前の話だよ。もういいじゃない。たいしたことでもないんだし」

 あああ、そんなこと言ってる。よーし、ならこっちにも考えがある。

「あの話するわよ」

「あれ?」

「ううん、あっちの話」

 しばらく視線で戦う。負けるもんですか。

「わあったよ。あたし負け、ったく、おミツはこまいこと良く覚えてるんだから・・・」

 勝ったー!やったね。

「ねぇねぇ、なんの話なの?」

 トモが目をきらきらさせ、あたしは好奇心と顔に出して聞いてきた。む、このお喋り大好き娘め。

「はいはいはい、大人の話をしてたのよ、子供は知らなくていいの」エッちゃん。

「ちぇっ、いつもそうやってトモを仲間外れにするんだから・・・」

 悲しそうなトモの表情。
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