あたしが髪を切ったわけ
 ダイレクトな感情が、あたしとあたしの身体を突き動かした。

 面会謝絶の札の掛かったドアを皆の制止を振り切って開き、中に駆け込む。

 奴がベッドの中で横になっている。

 口に呼吸機の管が差し込まれ、点滴をしている。

 ごぼごぼという耳障りな呼吸機の音。

 奴ってこんなに小さかったっけ。

 取りすがる。

 馬乗りになる。

 普通に寝てる見たいだ。

 でも、違う。いってしまう。

 あたしの・・・
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