女の子のミカタ
キツネにこんな事愚痴っても意味がない。

何より男としても人間としても情けない。


『なるほどーあなたのは気持ちはよく解りました。ですが女子には女子の気持ちもあるはずでっせ』

「……?」

不気味な笑みを零すそいつを見つめながら俺は言葉を探す。


「あんたに関係ない!ともかくその金―…」

『宜しい。年若い君に私からのささやかな贈り物をしんぜよう…』


「はぁ?」

いや、そんな物より金返してくんないかな?

腹の中でポツリ呟いた。

『少しは女子の立場になって物事を見つめれば見方が広がりまっせ。』
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