女の子のミカタ
女の気持ち

「っと…!」


「ちょっと!」


ん…、誰かが肩を揺さぶる……。

「…ぅ…ん…」

目を空けると一人の男がいた。

茶髪の若い男。年は、自分と近そうだ。

中肉中背の陽気で人懐っこい明るい男。


「ねぇ、大丈夫?」

そいつは俺の顔を覗き込んで様子を伺う。


「…あぁ…」

頭を押さえながら辺りを見渡す。


俺は何故、こんな所に座り込んでいるんだ?



確か、万札を風に掠われて……その後に、何かと話していた気がする……。



何かを忘れてる気がする。


けど、駄目だ。何も思い出せない。
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