女の子のミカタ
カモ、じゃなくそいつは俺の手を握っては真剣な表情を浮かべた。

さっきまでの頼りない雰囲気から一変し、まるで獲物を狙う猛獣みたいで……。


正直、怖い……



「…わ、悪いけど……そのつもりないんで……」


スッと椅子から立ち上がって席を立とうしたが、酔いのせいか足が縺れてしまった。


「っと!危ないな。大丈夫?クスクス……」


そのせいで、そいつの胸の中に倒れ込む。

「は、離せよ!!!」

抱きしめるように俺の背に手を回す。

逃げようと身をねじるが、いくら身体をねじってもその腕は解けなくて……。
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