雨のリフレイン
どうも結婚の事実までは、調べていないようだ。

柊子は胸をなで下ろす。
結婚のことが知られれば、攻撃がこんなものでは済むはずない。


「…水上先生のお気持ちは?」
「彼の気持ち?
そんなもの、カンタンよ。私に誘われて断るようなバカはいないわ」


驚くほどの自信過剰ぶり。


「まぁ、あなたなんて彼の眼中には無いと思うんだけど、目障りなのよ」


そう言って、三浦はギュッと柊子の手首を掴んだ。
伸ばして綺麗に整えられている三浦の爪が手首に食い込んで痛む。




その時だった。


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