雨のリフレイン
「…写真だけでよかった」


「…え?」


不意に水上からつぶやきが聞こえて、思わず彼を見上げた。

だが、彼はカメラの方を向いたまま柊子を見ていない。



写真だけで良かったって、言ったよね?
そんなに、私がダメってこと?
みっともないってこと?
人には見せられないってこと?


みるみる柊子の心が凍っていく。


褒めて欲しいとは言わない。
似合っていないこともわかってる。
それでも、黙っていて欲しかった。
貶されるとやっぱりショックだ。

自分が水上にとって不本意な相手なのだと突きつけられた気がした。


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