雨のリフレイン
「最高のショット、撮れましたよ!
ご協力、ありがとうございます」

その時、カメラマンから声がかかった。

「洸平くん、柊子、翔太先生、絵になるわぁ。
ステキだった!」

母の声に柊子は、ハッと我にかえる。

「ありがとうございます、信子さん。
なぁ、翔太、信子さんが一緒の写真も撮ってくれないか?」

「もちろん。俺も入れて。
一番の笑顔でね、柊子ちゃん!」

母を囲むように4人で。
今日、一番最高の笑顔の写真が撮れた。




「さて。こんな暑いところはそろそろ撤収して。
お腹も空いたし、食事にしよ。とりあえず、着替えてきて。最上階のレストランで待ってるから。
信子さんは、俺とひと足先に行きましょう」


興奮しているから気づいていないが、恐らく疲れているだろう母を翔太が気遣う。


「…そうね。
じゃあ、先にいって休んでるわね。
行きましょう、翔太先生。
ね、あのレストラン眺めがいいんでしょ?
窓ぎわのお席に座れるかしら」


ウキウキしている母を翔太に任せ、柊子は水上と共に館内の衣装室へと向かった。


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