雨のリフレイン
柊子はドレスを着替え、ブライダルメイクも落とす。
軽めのいつものメイクに直してからホテルスタッフに案内されて、レストランに向かった。



最上階のレストランの眺めは最高だった。
窓の外、見下ろすのは数え切れないほどのビル。その間をまっすぐ走る道路。
遠くに赤い東京タワー。高層ビル群。
昼間も素晴らしいが、恐らく夜は最高にロマンチックな夜景が見られるだろう。

「お待たせしました」

柊子が案内されたのは、個室だ。
軽く飲んでいたようで、テーブルにはすでにシャンパンボトルがあった。

「あ、柊子ちゃん。お疲れ様!
さ、座って」

翔太がそう言うと、レストランスタッフが空いていた席の椅子を引いてくれた。
柊子が座ったのを合図に、いよいよ食事が始まる。

「まずは、乾杯しよう!
乾杯!」

カチンと四人のグラスが涼やかな音を立てる。
ほどよく疲れた柊子の体に、良く冷えたシャンパンが心地よい。

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