雨のリフレイン
そして、食事も一通り終えて、デザートが運ばれてくる。

窓の外は、太陽がビルの間からわずかにだけ見えていて、街は夕暮れのオレンジ色に染まっていた。
ただ、沈む夕陽の上には夕立を起こしそうな濃灰色の雲の塊が、まもなく空全体を覆ってしまう勢いで広がりつつあった。

「翔太先生、今日は色々ありがとうございました。ドレスに写真に食事まで。最高の日になりました」


見た目にも美しい、色とりどりのフルーツをふんだんに使ったケーキを食べながら、柊子は翔太に礼を言う。


「いやいや。
親友の洸平と、妹みたいに可愛い柊子ちゃんの為なら、これくらい大したことないよ。
喜んでもらえて、良かった」


翔太は目の前のケーキには手を付けず、水上の方を見た。
水上は、翔太の様子に気づいて、手にしていた琥珀色の液体の入ったグラスをテーブルに置くと、静かにうなづいた。


それを見た翔太は、口火を切った。


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