雨のリフレイン
それまで笑って面白おかしく話しをしていた翔太が、この話になったとたん、顔からヘラヘラした笑みを消し、背筋も真っ直ぐに強い意志を感じさせる。

柊子と母は、それに気づいて、翔太を真っ直ぐに見て真摯に受け止めるべく彼の言葉を聞いた。


「俺は、拓人と親父と一緒に新しい医療センターを作り上げていこうと思ってる。
信子さん、柊子ちゃん。
ぜひ、洸平をこの医療センターに呼びたい。
洸平の力が必要なんだ」


翔太の強い決意を感じた。


「…今日、さっき中庭でお前の姿を見た時から、いつその話をするのかと思ってたよ」


ふうっと、水上がため息をつく。
それで、柊子と母は、この話がやっと触れた核心なのだと知る。


「洸平くんからは、何も聞いていなかったから、ビックリよ。
でも、医師にとってどんな経験も全て財産よ。ドンドンチャレンジすべきだわ。
いいじゃない。洸平くん、新しい医療センターなんてやり甲斐あるわよ」


母は、どん、と洸平の背中を押す。

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