雨のリフレイン
泣くのは雨の中
「すごい雨だな」
その時不意に声がした。
見なくても、声の主はわかる。
この部屋に自由に入れる男性は一人しかいない。
顔を覆っていた手を下ろしてみる。
いつのまにか帰ったはずの水上がベランダに立っていた。全く気づかなかった。
雨音がドアを開ける音もかき消していたのだ。
「せ、先生。帰ったんじゃ…」
「俺の帰る場所は、ここだけど」
水上はそう言うと、壁にもたれていた柊子をそっと抱きしめた。
「ホテルで俺の身の上話してからずっとおかしいと思ってた。なんだか、泣きそうだなと。
君は、雨の中、一人にならないと泣かない子だから…
俺がロクでもない親に捨てられたような男で、ガッカリしたかい?」
柊子は、ブンブンと首を横に振った。
「先生は、立派です!
過去がどうあれ、今はお医者様として真摯に病に向き合って、患者さんの信頼も厚い。尊敬してます。
大好きです」
その時不意に声がした。
見なくても、声の主はわかる。
この部屋に自由に入れる男性は一人しかいない。
顔を覆っていた手を下ろしてみる。
いつのまにか帰ったはずの水上がベランダに立っていた。全く気づかなかった。
雨音がドアを開ける音もかき消していたのだ。
「せ、先生。帰ったんじゃ…」
「俺の帰る場所は、ここだけど」
水上はそう言うと、壁にもたれていた柊子をそっと抱きしめた。
「ホテルで俺の身の上話してからずっとおかしいと思ってた。なんだか、泣きそうだなと。
君は、雨の中、一人にならないと泣かない子だから…
俺がロクでもない親に捨てられたような男で、ガッカリしたかい?」
柊子は、ブンブンと首を横に振った。
「先生は、立派です!
過去がどうあれ、今はお医者様として真摯に病に向き合って、患者さんの信頼も厚い。尊敬してます。
大好きです」