雨のリフレイン

その日は仕事中に、病院で柊子を見かけた。

学生同士、揃いの白衣でグループとなり行動していた。皆、同じに見えて個人の区別などつかない。いつもなら、視界に入っても気にもとめない風景。

だが、柊子の姿はすぐに見つけることができた。

真剣な眼差しで、それでも口元に笑みをたたえていた。
まるで、彼女にだけスポットライトが当たっているように、その姿は目に飛び込んでくる。


見慣れている白衣も、柊子が着ているだけでドキッとする。柊子の初々しいナース姿に、目が離せなくなった。




「水上先生?……あぁ、なるほどね。
大丈夫よ。彼女、すごく優秀だって聞いてる。
多分、今年度の首席になるんじゃないかしら」


側にいた山田看護師長が、洸平の視線の先に気付いた。
信子の看護学校の同級生で親友の山田は、洸平と柊子の結婚を知る、数少ない1人だ。


「あーあの笑顔。やっぱりたまらないわ。可愛くて、癒される。
来年は私のものよ。ウフフ。鍛えるわよー」


柊子は、卒業後、山田の元で働くことが内定していた。





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