雨のリフレイン

圭太は、恋愛対象として医者という職業の相手は浮気ばかりでダメだと思っているようだ。

「八坂もさ、いい加減水上先生はあきらめろよ。
みたろ?三浦先生といい感じだったじゃん。
ハイスペック同士、お似合いだよ」

「…たしかに」

でも、そんなに簡単に諦めるなんて、出来ない。
かと言って、私のものと言うことも出来ない。
一回寝たくらいでは、カノジョって言えないと愛美の言葉が頭をよぎる。
カノジョというか、戸籍上では夫婦なのだけど。

『君の一番近くにいたい。
いつも、俺を好きだと言って、無上の愛情を示してくれ。柊子が側にいてくれることが幸せだから』

そう言ってくれたけど、洸平からは“好き”と言ってもらえない。側にいたくても、ずっとすれ違ってばかり。寂しいし、他の女性と一緒にいるのを見るだけでどうしようもないほど焦るし、イライラする。
そんなヤキモチ焼いたところで、どうしようもないのに。





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