雨のリフレイン
「おかえりなさい、團。
せっかく『アメリカ帰り』のメッキ付けたんだから、しょうがない。引き取ってあげる」

「香織…!」

山岸が三浦に駆け寄り、ぎゅっと抱きしめた。
抱きしめる山岸のほうが三浦より背が低いので、三浦の顔が柊子からよく見える。
穏やかな笑みを浮かべながら、頬を涙が伝っていた。

「ありがとう。もう、一生離れない。ずっと香織の側にいるから」
「私、團の周りにはまるで悪女みたいに評判悪いわよ?」
「上等。僕だけが香織のいいところ知っていればいい」
「…“三浦團”になってくれる?」
「あ、待って。プロポーズは、僕からさせて?」


「結婚しよう、香織。
僕は、三浦團になりたい。君と、ずっと一緒にいたい」


三浦が破顔した。大きく頷き、抱きしめ合う。




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