雨のリフレイン
言葉は、それだけ。
柊子の欲しい言葉は、結局もらえなかった。
それでも、誰より一番近くで見つめ合い、数え切れないほどキスをして、激しさに気を失うまで抱かれた。






そして。
ハッと気付いて目を開ける。
目の前には、洸平の端正な顔があって思わず息をのむ。大好きな人の腕の中で目覚めたのは初めてだ。信じられないほど、幸せを感じる。

ベッドサイドの時計はまだ朝の4時。外はまだ暗い。

ーーいけない、レポート!

まだ眠っている洸平を起こさないようにそっとベッドから起き上がる。
だが、ベッドから腕が伸びてきて、ベッドに引きずり込まれてしまう。

「大丈夫。あのレポートならよく出来ていた。何点か補足したいところ、付箋つけておいたから。
信子さんも、よく寝ていたよ。何も心配いらない」

知らない間にレポートに目を通してくれた挙げ句、母の様子まで見てきてくれていたことに驚きを隠せない。

「いつの間に…」

「俺は柊子より、普段から長丁場のオペで鍛えてるから体力あるし。短時間睡眠に慣れてるからね。
それより、朝まで一緒のベッドにいられたのは、初めてだなぁ。やっとだよ」


「って、洸平さん?ちょっと待って、え?…え?」
「待たない。国試終わるまで、半年も待ったんだから」


朝から再び散々抱かれて。柊子は息も絶え絶えになってしまう。
それでも、なんだか求められれば愛されているような気がして、柊子は洸平に存分にしがみついた。

今だけは私のもの。

大好きよ、洸平さん。

たとえ、離れ離れになってしまっても、私はあなた以外好きにならない。







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