雨のリフレイン
その時だった。
「…?お母さん?」
病院の方から、車椅子に乗った母の姿が見えた。
車椅子を押していたのは、白衣を羽織った洸平だ。
何ごとか、と周囲の人たちは車椅子が通れるように避けてくれる。
「お母さん、大丈夫!?」
びっくりして柊子は母に駆け寄った。
「感動して泣き過ぎちゃって、具合悪くなっちゃったの。
立派だったわ。お父さんにも、見せたかった」
しゃがみこんで握った母の手は、冷たくわずかに震えていた。
「ありがとう、お母さん」
柊子は、車椅子を押す洸平に目をやる。
「大丈夫だ。心配いらない。
信子さん、写真が撮りたいって。
写真だけ撮ったら、点滴な。まぁ、一時的なものだから点滴したら帰れる。今日は卒業のお祝いだもんな」
「もう、お母さん。心配させないで。無理しないでよ?」
「ごめん、ごめん。柊子、ちょっと肩貸して。
あの、どなたか、写真撮って下さい」
信子は、洸平の手を借りながら車椅子から立ち上がり、柊子に寄りかかる。
「あ、オレ撮りますよ。
校舎がバックでいいですか?こっち向きなら、早咲きの桜が映りますよ」
圭太が信子からカメラを受け取った。
「うーん、じゃ、両方お願い」
「オッケー、撮りまーす」
「…?お母さん?」
病院の方から、車椅子に乗った母の姿が見えた。
車椅子を押していたのは、白衣を羽織った洸平だ。
何ごとか、と周囲の人たちは車椅子が通れるように避けてくれる。
「お母さん、大丈夫!?」
びっくりして柊子は母に駆け寄った。
「感動して泣き過ぎちゃって、具合悪くなっちゃったの。
立派だったわ。お父さんにも、見せたかった」
しゃがみこんで握った母の手は、冷たくわずかに震えていた。
「ありがとう、お母さん」
柊子は、車椅子を押す洸平に目をやる。
「大丈夫だ。心配いらない。
信子さん、写真が撮りたいって。
写真だけ撮ったら、点滴な。まぁ、一時的なものだから点滴したら帰れる。今日は卒業のお祝いだもんな」
「もう、お母さん。心配させないで。無理しないでよ?」
「ごめん、ごめん。柊子、ちょっと肩貸して。
あの、どなたか、写真撮って下さい」
信子は、洸平の手を借りながら車椅子から立ち上がり、柊子に寄りかかる。
「あ、オレ撮りますよ。
校舎がバックでいいですか?こっち向きなら、早咲きの桜が映りますよ」
圭太が信子からカメラを受け取った。
「うーん、じゃ、両方お願い」
「オッケー、撮りまーす」