雨のリフレイン
「さぁ、いぶき、そろそろ帰れ。腹減ったろ?」
「わかった。また、明日来ます。
…八坂さん、父をよろしくお願いします」
いぶきは柊子にペコッと頭を下げると、はにかんだ笑顔を桜木に向けた。
「父をよろしくなんて、言っちゃった。一生言わないと思ってたセリフね」
「アハハ、オレも初めて言われたさ。悪かぁねぇな」
そんな小さな事がひどく幸せそうで。
見ている柊子まで笑顔になる。
一条拓人と共にいぶきが病室を出て行くと、柊子は桜木に今日の予定を伝え、血圧を測ったり、採血を行なった。
「上手じゃないか、柊子さん。とても看護師になりたてとは思えないよ」
「ありがとうございます。母に特訓されてますから」
「お母さんの具合はどうだい?」
「はい、今は生きる楽しみを見つけて。病気なんて嘘じゃないかと思えるほど元気です」
「そりゃあ良かった。わかるよ、オレも生きる楽しみを見つけた。これからはいぶきの為に生きようと思っている。
娘にしてやりたかったこと、一つずつ叶えていきたいんだ」
桜木は、すっかり父親の顔だ。
いつ死んでもいいと、厭世観に苛まれていたとは思えないくらい、顔色も良く、イキイキとしていた。
「わかった。また、明日来ます。
…八坂さん、父をよろしくお願いします」
いぶきは柊子にペコッと頭を下げると、はにかんだ笑顔を桜木に向けた。
「父をよろしくなんて、言っちゃった。一生言わないと思ってたセリフね」
「アハハ、オレも初めて言われたさ。悪かぁねぇな」
そんな小さな事がひどく幸せそうで。
見ている柊子まで笑顔になる。
一条拓人と共にいぶきが病室を出て行くと、柊子は桜木に今日の予定を伝え、血圧を測ったり、採血を行なった。
「上手じゃないか、柊子さん。とても看護師になりたてとは思えないよ」
「ありがとうございます。母に特訓されてますから」
「お母さんの具合はどうだい?」
「はい、今は生きる楽しみを見つけて。病気なんて嘘じゃないかと思えるほど元気です」
「そりゃあ良かった。わかるよ、オレも生きる楽しみを見つけた。これからはいぶきの為に生きようと思っている。
娘にしてやりたかったこと、一つずつ叶えていきたいんだ」
桜木は、すっかり父親の顔だ。
いつ死んでもいいと、厭世観に苛まれていたとは思えないくらい、顔色も良く、イキイキとしていた。